■ Windows搭載基板がアーケードゲーム業界を席巻
( @IT - アットマーク・アイティ,12/15)
> 1990年代半ばまで、アーケード基板は専用のCGボードが幅を利かせ、大手メーカー
> は時に何億円もの開発費用を投じて独自製品を開発していた。
> 状況が変わり出したのは、ソニー「プレイステーション(PS)」など、表現力の高い
> 家庭用(ゲーム)機が登場した95年ごろから。開発コストやソフトの移植を考え、
> 専用CGボードを使うよりも、家庭用機の高性能なチップセットを応用するのが一般
> 的になる。
~略~
> PCアーキテクチャといえば、OSにLinuxなどを使うこともできたが、タイトーは組み
> 込みシステム向けWindows「Windows XP Embedded」(以下XP Embedded)を
> 選んだ。
> 「(統合開発環境の)『Visual Studio』や(マルチメディア拡張API群の)『DirectX』の
> 開発環境がそろっている点が魅力だった。
> Linuxだと、こうした周辺を自分たちで固める必要がある。
> また、業務用途で使うものだけに信頼性を重視したので、ベンダサポートのある
> Windowsしかなかった」(内藤氏)。
> そのほか、約1万のコンポーネントからなるXP Embeddedは、必要なものだけを
> 組み合わせてOSを最適化できる点や(Type Xシリーズは半分弱のコンポーネントを
> 使用)、EWF(Enhanced Write Filter)機能など、Windows XP Professionalには
> ないフューチャーを高く評価した。
XP EMBは、POSシステムや家庭用ゲーム機など、最近は至る所で組み込まれているみたいですね。
EMBをオペレートする際は、基本的にWindows XPとほとんど同じである、という点も、とっかかりやすくプラスな部分だと思います。
同じ組み込みOSカテゴリのWinCEとは大きく異なりますが、今はCEとEMBは統合されています。
ところで、
> EWF機能があれば、不意の電源オフでもプログラムや
> データが保護されるので、アーケード機に無停電電源
> 装置を組み込む必要がなくなりコストダウンが可能になる。
・・・これってマジ?
さっそくぐぐってみると、マクロソフト公式と、@ITに詳しい記事がありました。
ざーっと読んだ限りですが、Windows EMBに搭載されるEnhanced Write Filter(EWF、拡張書き込みフィルタ)って機能は、パーティション単位でその領域への書き込みを禁止するしないを選択できるシステムみたいです。
特定のパーティションに対してEWFをONにする場合、その中にあるファイルを更新(書き換え、削除)しても、その状態はメモリ上にのみ蓄積されて、実際のHDDに対しては書き込まれないようになります。
とはいってもメモリ情報がクリアされない限りは、外見上、内容は書き換わったように稼働します(このEWFは%systemroot%に対しても有効です)。
メモリ情報をクリアする=再起動なので、再起動後は常にデフォルトの状態に巻き戻ることになります。
加えてページファイルを無しにして、HDD(あるいはCF)への書き込みを一切行わないようにすれば、ガシガシ電源切っても損傷がない、まさに組み込み向けOSになります。
ここまで読んで、これってShared Computer ToolkitのDisk Protectionとおなじじゃない?と思った方もいるはず。
うーん、もう一度Disk Protectionのドキュメントを読み直してみましょう。
どうやらDisk Protectionは一度HDDの特殊領域へ書き込んだ内容を再起同時に破棄するんであって、メモリにプールするわけじゃないみたいですよ。
そっか、それじゃあDisk Protectionは組み込みには使えないですね、EWFとDisk Protectionは、振る舞いが同じでも機構が全然違うんですから。
うわ、これは早急にEMBやらないとダメだ・・・すぐにでも。
時間がないくせにやりたことが山積みです。